事業承継の辞退
私は、「地域おこし協力隊」として活動を行っていくうちに、とあるお店(菓子製造業)の代表者に、「お店を引き継がないか?」と提案され、合計にして783日、事業承継にかかわり、事業譲渡契約書を交わす直前までいっていました。
しかし、事業譲渡契約書署名の直前に決断したことがあります。
事業承継って何ぞや?
手っ取り早く言うと、双方協議のうえで決定した、事業自体の価値(金額)をお支払いすることで、別の人が同じお店を経営できるようになることです。そこには、前経営者の想い、技、ノウハウ、人脈等の、目に見えにくい知的資産も含まれます。※あくまで参考程度に。詳しくはコチラ。
それまでには、所属している自治体をはじめ、地元の商工会、事業承継・引継ぎ支援センター、日本政策金融公庫の皆さまに大変手厚いご協力をいただきました。
とうてい一人(当事者同士)ではここまでこれなかったと思います。
また、日本政策金融公庫さまには、事業の将来性を見据えた上での多額の融資決定、事業譲渡契約書調印式までセッティング、更にはプレスリリースなど、各方面に調整をいただき、地域の明るいニュースにしようとしていただいていました。
にもかかわらず私は、
事業承継の辞退を申し出ました。
最初に代表が話していた内容と
大きな食い違いが生じており、
修復は不可能
との判断からです。
この記事を書く目的
2つあります。
- 私と同じような経験を誰にもしてほしくないから。
- 自分の中で、当時の想いを風化させたくなかったから。
それでも、私は、この事を発信するべきか非常に悩みました。公開すれば私のみならず、承継を考えていたお店にも影響を及ぼしてしまう可能性があるためです。
ただ、承継を辞退した話を伝えると、多くの方が、
その決断を、私は応援する。
と、励ましてくださいました。
また、良い意味でその経験を情報共有させてほしいとのお声がけもいただきました。
なぜなら、私の住んでいる地域では、社会課題として「跡継ぎ問題(後継者問題)」があるからです。
実際のところ、インターネットで調べてみると、承継がうまくいっていない事例は数多く存在しているようでした。
ただ、その事例は、現経営者側の視点で書かれていることがほとんどで、引き継ぐ(後継者)側の視点で書かれている記事が非常に少ないように感じました。
そういう事もあり、
別の形でもいいから、
何かしら役に立ちたい。
私と同じような経験をしてほしくない。
また、
地域おこし協力隊として、縁もゆかりもない移住地で家族で、定住するための貴重な3年間(1095日間)のうち、783日を事業承継に全力でかかわった結果、このような結末を迎えたことによるとても複雑な想いを
風化させたくない。私は絶対に忘れない。
そう思いこのページをつくりました。
この記事をご覧になる皆さまへ
この記事をご覧になる方の中には、お店が分かってしまう方もいらっしゃると思います。
ただ、実際にそのお店にどうなんですか?って聞きに行く事はやめてください。私はお店に迷惑をかけたいわけではありません。
ワイと同じ経験をしてもらいたくないので、具体例を挙げることで、皆さま自身の活動と照らし合わせていただき、失敗を未然に防ぐための記事であってほしいと願っています。
また、どっちが正しいとかそういう話でもないので、ワイ、お相手に対して、どっちが正しいとか、間違ってるとかもナシでお願いできればと思います。
他にも、この記事だけで、お相手のことを判断されないようにお願いします。なぜなら、ワイが記事を作成している以上、必ずワイよりの記事になるからです。お相手もお相手なりの考えがあってのことであることをどうかご理解いただきたいと思います。
申し訳ありませんが、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
上記を同意の上、
事業承継の失敗体験談を閲覧する。