事業承継失敗経験者の考える対策
その1 ずっと一人親方なお店は避けた方が無難かもしれません。
なぜならそのお店は、その人がルールなので、社会の常識や社会の法律が全く通用しない可能性が高いです。
契約書という書面が法的に効力を発揮すると言えども、全くお構いなしです。そもそもそうであるという認識すらない可能性があります。
ただ、だからって争いたくありません。お世話になっている人です。できる限りいい関係でありたいです。
だから、最初から避けた方がいいのではと思ってしまうわけです。
現在ご高齢の一人親方は、法令遵守の考え方を持っている人は少ないかもしれません。
なぜなら、一人親方なので、お客様にバレなきゃいいと思っている節があります。
新しいこと(インターネット、キャッシュレス決済等)を導入するにも、理解してもらわないといけないですが、理解が進まない方が多い印象です。ましてや、半人前の人間のいう事は、どんなことであっても耳を貸してくれない可能性があると思ってもらった方がいいかもしれません。極端ですけどね…。
その2 子供がいるのにもかかわらず、継がない場合は理由をしっかり確認がおすすめです。
県外に出ているから。
とかいう理由はあてになりません。なぜなら、継ぐメリットが十分にあるのなら、帰ってきても継ぐと思うからです。
身体的理由や精神的理由があるのであれば仕方ありませんが、そうでない場合は言われたことを鵜呑みにしない方が良いかもしれません。
仮に子供がいて、その人が会社員の場合、会社員をやっている方が、継ぐよりもメリットがあるから継がない。
言い換えれば、継ぐデメリットの方が大きいから、継がない。
そう考えて良い気がします。
その3 とにかく早めに確定申告書類を見せてもらおう。
早めにって言っても、信頼関係ができてからですよね。
なぜなら、そんなもの簡単に見せるわけないじゃないですか。
言葉で良いように言ってることも、実際に数字で見ると違うかったという今回の事例はまさにそうです。
他の方法としては、第三者(事業承継・引継ぎ支援センター)に入ってもらって、そっちから言ってもらうのも一つの方法かもしれません。
その3 承継前に積極的に任せてくれるお店を選ぼう。
お店も後継者を選びますが、後継者側も同じです。トップの考えを見ています。
自分は本当にここの後継者になっても大丈夫かと。
承継前に任せて、失敗してもケツふいてくれるお店が良いです。
そんなお店、めったにない気もしますが…。
でも承継に本気なら、それが普通な気がしませんか?
その4 事業承継というのは?を確認するのがいいかもしれません。認識が異なっている可能性があります。
私の場合、事業承継というのは
「その味(製造工程)と、名前(ブランドイメージ)を引き継ぐ事」
でしたが、代表は、
「一緒に手伝える人を雇わずに手に入れる方法」
という印象でした。親子関係だとそれもありかもしれません。
どちらにせよ、事業承継をはき違えている可能性があります。手伝ってくれる人が欲しいのと、事業を継がせたいは別だと思います。
役割分担を確認するという形にして、それが承継に値するものなのか、検討してみるのがいいかもしれません。
その5 いつ、引退(完全にかかわらない事)するのか、期限が確認できた方がいいと思います。
これはマストだと思います。なぜなら承継ですから。継ぐわけですから。
いつかは退いてもらわないといけません。
お前が一人前になったら。
これはやばすぎワードです。
なぜなら、具体的なようで全く具体的ではありません。
ただ、一人前の定義って何?何をどこまでできたら一人前?それはいつまでにやる?
それが応えられるならいいかもしれません。
とにかく、期限を答えられない場合、一度事業承継を見直されることがいいかもしれません。
その6 あれ?っと思ったら、「絶対に」確認しよう。
これが私が犯した最大の失敗の要因だと思います。
あれ?前に言ってたことと違うくないか?でも、確認したら気まずくなるし、言わないでおこう。
これは絶対にダメ!!
人生を棒に振ります。
言っていたことと違うなと思ったらすぐに確認しましょう。
前、こういってませんでしたっけ?って。
お相手も違うことを分かったうえでいう事があるかもしれません。
そこで言わなかったら、あ、かまんのや。ってなるので。
最後に。 ワイが(第三者)事業承継をオススメしない最大の理由
分かり合えないからです。
事業承継ではなくとも、親子でさえ分かり合えないこともあるわけですから、第三者である私が分かり合えるわけがないと思いました。
なぜなら、いくら話をして理解してもらおうとしても、お相手にはお相手の時代ならではの常識や想いがあり、こちらは、こちらの時代ならではの常識や想いがあります。交わることはないと思います。
さらに言えば、お相手がこちらを半人前として見られている場合があります。そうなると、いくら建設的な話であろうと聞き入れてくれません。
業務に関係のない部分においても、半人前であることで、話を聞き入れようとしてくれない可能性があります。
話は変わりますが、どちらにしても他人のふんどしを借りて相撲を取るわけですので、現経営者は必ず口を挟むと思っていいかもしれません。
私は以上のような経験から、事業承継をオススメしない側ですが、承継が悪いとは思っていません。
しっかりと確認していただいて、悔いのない選択肢を選んで欲しいのです。
皆さんが、私のように誤った選択を行わないように願います。
最後に
この扱いは絶対に忘れない。
ただ、この経験を無駄にするか、糧にするかは自分次第。
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